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~読書シリーズ~ スタンフォード式 最高の睡眠

読書シリーズでは最近話題の?書籍の中から気になったものを読んでみて、僕なりに要点をまとめていきます。
睡眠のゴールデンタイム
寝始めてから最初の90~120分のゴールデンタイムが重要。
人は睡眠に入って最初の10分以内に、その睡眠の中で最も深いノンレム睡眠に入ります。
その後はレム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返す中で、徐々に睡眠の深さが浅くなってきます。

つまり、このゴールデンタイムの睡眠の質をいかに確保するかが重要ということです。
逆に、何時間寝ようが、ゴールデンタイムの質が低ければ総崩れになってしまいます。
ゴールデンタイムの質の高め方
1.毎日同じ時間に寝る
人間の性質は、睡眠を遅らせることは簡単だが、早めることは難しい。
睡眠を早められるの1日で1時間と言われています。
極端に遅く寝る日を何日か設けてしまうとそのあとのリセットが大変になるので、極力毎日同じ時間に寝ることが大切です。
2.眠気がきたタイミングを逃してはいけない
普段から寝る時間帯に眠気がきたら、それを一度逃してしまうと次の眠気はきにくくなります。
仕事の資料を作成しなければならないなどのイレギュラーがある場合には、まずは寝てしまい、ゴールデンタイムの深い睡眠を確保して、起きてから取り掛かるのが賢明です。
3.深部体温と皮膚温度の差を縮める

眠くなるメカニズムは、深部体温と皮膚温度にあります。
深部体温の方が皮膚温度よりも高いですが、その差を縮めることで眠気がきて質の良い睡眠が手に入ります。
そのために、手足(皮膚温度)が温かくなり熱放散をして、深部体温を下げます。赤ちゃんが眠くなると手足が温かくなるのがそうです。
4.就寝90分前に入浴、または就寝直前にシャワー

入浴で深部体温を高めます。深部体温は上がりすぎるとその後に急下降するので、それを利用して深部体温と皮膚温度の差を縮めます。
ただし就寝直前の場合には、入浴で深部体温を高めてしまうと下降する時間がないので、そういった場合にはシャワーで深部体温が上がりすぎないようにするのが良いでしょう。
5.寝る直前は頭をあまり使わない
睡眠に悪いと言われるブルーライトがありますが、ブルーライトの影響よりも、スマホやPCで頭を使ったり操作による脳への刺激が強いためと考えられます。
基本は、寝る前には何もしないのが一番です。
6.ブルーライト
上で説明したように、致命的なレベルでは影響がないと考えられてはいますが、部屋を暗くしてスマホを見るようなブルーライトの影響が強くなるような環境は避けるべきでしょう。
7.空腹時に分泌するオレキシンは交感神経優位にする
空腹時にはオレキシンというホルモンが分泌されます。オレキシンは覚醒を促し、体温を上昇させる役割もあります。交感神経が優位になり、良い睡眠がとりにくくなります。
ダイエット中の人で、「お腹が減って寝れない」というセリフを聞くことがありますが、まさにこのオレキシンが影響していると考えられます。
ダイエットをしている人は、睡眠の質が落ちてしまうと代謝も落ちてしまうので、本末転倒になりかねないので夕飯抜きは注意が必要です。
かと言って、夕飯を食べすぎてしまうと胃腸が休まる時間がなくなってしまうので、寝る何時間前に食事をするかによってボリュームを調整するのが妥当でしょう。
8.ストレッチはやり方が下手だと交感神経優位にする
下手に頑張ってストレッチをやってしまうと力が入り、交感神経優位になってしまうことがあるので注意が必要です。
「どう起きているか」が重要
睡眠と覚醒は表裏一体です。
朝起きてから眠るまでの行動週間が最高の睡眠を作り出し、最高の睡眠が最高のパフォーマンスを作り出します。
ではどのように良い覚醒を作っていくのでしょう。
1.朝は太陽光を浴びる
太陽光と言っても、曇りや雨の日でも外の光を浴びれば体内リズムを整える効果はあるので大丈夫です。
カーテンを開けるだけでも効果はあるので、朝起きたらカーテンを開く習慣をつけましょう。
ちなみに太陽光がない場合、人間の生活リズムは24.2時間サイクルで回ります(一昔前は25時間と言われていました)。
光を浴びないとどんどんズレてしまうのです。
2.レム睡眠時に起きるようにアラームをセット
特別な機械を使わない限り、レム睡眠がいつ出現するかを測定するのは現実的に難しいです。
そこで2種類のアラームをセットすることで、レム睡眠中に起きる可能性を高める方法をご紹介します。
例えば7時に起きなければならない場合、1つ目は6:40に小さい音ですぐに消えるアラームをセットします。2つ目は7:00に通常のアラームをセットします。
1回目のアラームの時にレム睡眠でなければおそらく起きず、2回目の時にレム睡眠に移行している可能性が高まるという方法です。
3.体温をあげる
深部体温と皮膚温度の差を縮めると眠気がきますが、深部体温と皮膚温度の差を逆に広げると良い覚醒が手に入ります。その方法は、
i)朝風呂×、朝シャワー〇
朝、お風呂にしっかり浸かってしまうと深部体温が上昇しすぎてしまい、その後急下降して眠くなってしまいますのでおすすめできません。
朝はシャワーで深部体温を上げすぎないのが良いでしょう。
ii)温かい汁物
スープやみそ汁などの汁物は体温の上昇に貢献してくれるので朝食におすすめです。
iii)手足を冷やす
深部体温と皮膚温度の差を縮めることで眠くなることをご紹介しましたが、その逆に手足(皮膚温度)を冷やし、深部体温と皮膚温度の差を広げることで覚醒状態にするという方法です。
iv)そこそこの運動
朝からハードすぎる運動をしてしまうと深部体温が上がりすぎてしまい、お風呂同様にその後の急下降により眠くなってしまいますので程々の運動で体温を上げるのが良いでしょう。
昼寝の仕方
1時間以上の昼寝はNG
ぐっすり昼寝をすると起きてからぼーっとしてしまい、仕事に復帰するのに時間がかかってしまいます昼寝をしっかりとってしまうと夜の眠気も起きにくくなってしまいます。
健康上もデメリットが大きく、1時間以上の昼寝をする人は昼寝の習慣がない人に比べて認知症のリスクが2倍になります。
仮眠はあくまで、仮の眠り、でないといけないということです。
20~30分の昼寝が有効
短時間の昼寝は頭をスッキリさせるのに有効です。ビジネスパーソンでも現実的にとれる範囲の時間だと思います。
健康上のメリットも明確で、短時間の昼寝をする人は昼寝の習慣がない人に比べて認知症のリスクが1/7になります。
昼寝とコーヒーの組み合わせ
カフェインは体内に吸収されるまで30分程度かかると言われています。
それを利用して20分の睡眠の前にコーヒーを飲み、20分の仮眠をとり、起きた頃にカフェインの効果でバッチリ目が冴えるという方法です。
睡眠に関する情報
日本人の睡眠時間
「眠りたい時間」と「実際の睡眠時間」の差は100ヵ国中、日本がワースト1位。
特に都心部では睡眠時間が短い傾向があります。
「眠りたい時間」と「実際の睡眠時間」を主要都市で比較すると、
東京 7:21 5:59
上海 8:14 7:28
パリ 8:12 6:55
ニューヨーク 7:54 6:35
ストックホルム 7:51 7:28
東京がぶっちぎりで睡眠時間が短いので危機感を感じます…。
ショートスリーパー
ショートスリーパーは遺伝である。
夢に関して
人は1回の睡眠の中で、通常7~8つの夢を見ています。
その中でも最後のレム睡眠中に見た夢を記憶しているのが一般的ですが、いくつも夢を覚えている場合には睡眠の質が浅いと考えられます。
また、ノンレム睡眠中も夢を見ることが分かってきました。
レム睡眠中の夢はストーリーがあって実体験に近い夢、ノンレム睡眠中の夢は抽象的で辻褄が合わない夢が多いことがわかっています。
最後に
個人的にものすごく刺さった文面がありました。
「私たちは何を食べるかは選べるが、食べ物の「使い道」を自分の意志で選ぶことはできない。」
「使い道を決めるのは「体」なのだ。」
睡眠の本なのに食事の話になってしまいますが、本当にそうだなぁと思いました。
栄養素の少ない食べ物でも体に吸収する能力が高ければ問題ないし、逆に栄養素が高い食べ物でも体が吸収する能力がなければ役に立たない…。
体そのものの機能を正常に保つことが非常に重要で、その機能の一躍をかっているのが睡眠だと思います。
この本を総括すると、特別斬新な情報は特にはなかったけれど、自分自身改めて振り返らなければならないようなことがたくさんありました。
健康に関して知識があまりない人でも読みやすい本でしたので、気になる方は是非読んでみてはいかがでしょうか。