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腸腰筋は鍛える必要はない

YouTubeで同じ内容を解説していますので良ければ動画でどうぞ
ほとんどの人が聞いたことがあるインナーマッスル腸腰筋。
とても重要な筋肉だということは疑う余地はありませんが、鍛える必要があるかどうかは別の話になります。
腸腰筋を鍛える必要がないっていうのは、ほとんどの人が鍛えようとしても大して鍛えられないからなんです。
それよりも鍛えすぎるとデメリットがある筋肉を無駄に鍛えすぎてしまうリスクがあるんです。
それをこれから順を追って解説していきます。
どんな人が腸腰筋を鍛えようとしているか
何かしら不調がある人や、
体の使い方に伸びしろがあるスポーツをやっている人がパフォーマンスアップしたくて鍛えようとする
といったような理由で腸腰筋は鍛えようとしますよね。
当たり前の話なんですが、体に悩みが無くて十分なパフォーマンスを発揮している人は腸腰筋を鍛える必要はないです。
ごくごく一部、トップアスリートとかは除きますが、
普通に元気で体に困っていない人が「腸腰筋鍛えなきゃー!」とはならないですよねw
不調を治すには構造的なエラー・神経的なエラーを解消する
じゃあ体に困っている人はどうしなきゃいけないかというと、構造的、ないしは神経的にエラーが起きているところを治そうとするわけですね。
構造的なエラーとはいわゆる筋肉バランスとか。たとえば
・前もも発達しすぎてる
・お尻やハムの筋量が少ない
・関節の動きが悪い
神経的なエラーは色々ありますが分かりやすいもので言えば運動神経的なもの。
ここを動かそうと思っても動かせないとか。
よくあるのは肩甲骨とか臀筋とか。
マッチョは胸をピクピク動かせますがあれば筋トレによる運動神経が発達して、コントロールできるようになったからピクピクできるんです。
筋肉が多いからできる訳ではないんです。
腸腰筋を鍛えようとすると…
で、腸腰筋を鍛えようとすると、構造的にも神経的にもエラーが増加しちゃう可能性があるんです。
というのは、
腸腰筋、いわゆる大腰筋と腸骨筋の作用なんですが
色々作用はありますが最も大きな作用は股関節の屈曲です。
脚を上げる動きです。
腸腰筋を鍛えようとするとまぁほぼ間違いなくこの股関節の屈曲を行います。
当たり前ですが股関節の屈曲は腸腰筋だけでやるものじゃないです。
主に使われる筋肉は大腿直筋・縫工筋・大腿筋膜張筋あたりです。
で、この筋肉たちは鍛えすぎてもロクなことがありません。
イメージで言うと肩こり筋の僧帽筋上部を鍛えまくるみたいなもんです。
この筋肉たちの中でも特に大腿直筋と大腿筋膜張筋は鍛えすぎたくありません。
というのは、現代人にとって体の不調のセオリーは大体決まってます。
上半身で言えば僧帽筋上部が過剰発達や神経優位の状態、僧帽筋下部が発達不足。
分かりやすく言うと猫背のアライメントになって色々悪化しやすくなります。
下半身で言えば太ももの前面や外側が過剰発達、臀筋やハムストリングスや内転筋が発達不足で関節の不調や浮腫み、脚の疲れやすさなどが起きやすくなります。
そのセオリーにモロ引っかかるのが大腿直筋や大腿筋膜張筋です。
高齢者はこれらも鍛えなければいけない筋肉ですが、そもそも高齢者は全部鍛えなきゃいけないですからね。
こういったことが、エラーを増加させてしまう要因になるんです。
とはいえ、腸腰筋のエクササイズ全般を全否定しているわけでもありません。
極力鍛えたくない筋肉たちが働きにくい環境で鍛えるのはまだアリだと思っています。
それの条件は文面だと難しいのでよかったら動画をご覧ください。
じゃあどうすればいいの
では根本的にはどうしたらいいかと言えば、それはズバリ、歩行動作を見直してください。
腸腰筋は力を入れるのが難しいというを言ってきましたが、うまく歩行動作をすると自然と使われます。
使われれば自然と筋力も付きますし神経回路も整ってきます。
<腸腰筋が使われない歩き方>
・高齢者歩き
大腿四頭筋バチバチ。大腿四頭筋はブレーキをかける筋肉なので毎回ブレーキかけながらアクセル踏んでるようなもんです。
・ヒール歩き
高齢者歩きと似ていますが、着地の瞬間まで足関節が底屈しているのでどうしても四頭筋でブレーキをかけざるを得ないです。
・お尻フリフリ歩き(トレンデレンブルグ)
・ガニ股歩き
大腿骨と一緒に骨盤まで揺れながらあるいちゃって腸腰筋に限らず色んな筋肉が動いてない状態。
これらと比べると内股歩きはまだ腸腰筋動く方ですかね…。
まぁ人それぞれの特徴があるので一概に言いきれませんが。
こういった歩き方になっていないか、チェックしてみてください。
まとめ
腸腰筋は鍛えようとして鍛えられる人は、普段から歩行動作で腸腰筋を使えている人。
そういう人は自然と腸腰筋が発達するから、無理にトレーニングをする必要がない。
逆に普段から腸腰筋を使えていない人は鍛えようとしても鍛えられない。
むしろ鍛えたくない筋肉群にばかり刺激が入ってしまってデメリットになってしまう可能性が高い。
人は日常の動きだけで必要な筋肉は自然とつくし、不必要なものはつきません。
動かすことが難しくない筋肉であればトレーニングで補填できますが、腸腰筋は動かすのがめちゃくちゃ難しいです。
しかも腸腰筋を鍛える動きが、鍛え過ぎたくない筋肉群と似ているという条件付き。
つまり、「腸腰筋を鍛える必要はない」という結論です。