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正しいスクワットのやり方は存在しない!?
最終更新: 2020年1月15日

トレーニングの王道であるスクワット。そのスクワットの正しいやり方についてはネットで調べたらいくらでもやり方が出てきます。しかし、私は「正しいスクワットのやり方」という表現自体に違和感を覚えます。その理由についてお伝えしていきます。
では、まずはスクワットの動作から確認していきましょう。
スクワットの動作とは
まずスクワットはどんな動作なのかを確認しましょう。
主に動く関節は3つ、股関節・膝関節・足首です。
しゃがみこんでいく動作では3つの関節が同時に(股関節)曲がる・(膝関節)曲がる・(足首)曲がると動いていきます。逆に上がる動作では3つの関節が同時に(股関節)伸びる・(膝関節)伸びる・(足首)伸びると動きます。
この動きと負荷のかかるベクトルは、歩行や走る動作でも同じことが言えます。そのため、スクワットはトレーニングの中でも王道なのです。
正しいスクワットとは?
そもそも正しいスクワットってなんでしょう?
トレーニングをする目的は人それぞれ違います。
ボディメイク、ダイエット、ヒップアップ、健康維持、運動不足解消、加齢対策、またはパワーリフティングの選手など。
これだけ目的がある中で、正しいスクワットを1つに絞ることが出来るでしょうか。
一般的によく言われる正しいスクワットというものが、あまりにもボディメイクに寄りすぎているように感じてならないのです。でも、トレーニングをすることの本質は何と言ってもパフォーマンスが上がることが大事だと私は思っています。ここで言うパフォーマンスというのは、アスリートに限ったことではなく、一般人の日常動作なども含みます。
ただ、この考えも私個人の意見でしかありません。
日常のパフォーマンスなんてどうでもいいと言われれば、その目的に合ったフォームをお伝えします。
私は、「正しいスクワット」は無いと思っていますが、「危険なスクワット」は存在していると思います。それは、
・腰が丸まってしまうフォーム
・極端に前のめりになってしまうフォーム
・つま先と膝の向きが一致しないフォーム
・高重量で、かつ深くしゃがみこむフォーム
などが挙げられます。
日常動作のパフォーマンスが上がるスクワット
①脚の幅を広くとるワイドスタンス、つま先は斜め30°を目安にガニ股
<理由>
股関節の構造は、屈曲する(曲がる)につれて外旋(ガニ股)するようになっています。
また、外旋(ガニ股)は外転(ワイドスタンス)していた方が行いやすいです。
そのため、外旋&外転位である、ワイドスタンスでつま先を斜めにすることがベターです。
脚の幅を狭くとるナロースタンスで行うと、股関節のつまりや、そこから起こるいわゆるニーインなどになってしまうことがリスクとして挙げられます。
②膝はつま先より前に出てOK
→上半身と下腿(膝下)が平行であることがポイント!
<理由>
歩行などの日常動作からスポーツのあらゆるシーンでも、上半身と下腿は平行であることが基本です。その動作からかけ離れた動きをしても、動作のパフォーマンスは上がりません。
例えば、年配の人で躓きやすい人が居たとします。その人の大腿四頭筋(前もも)の筋力低下が起きていたとして、前ももをレッグエクステンション(前にキックするような膝の曲げ伸ばしをするマシン)で鍛えたとしても躓きは改善されません。それは、歩く動作とレッグエクステンションの動きが神経的に紐づかないからです。
そういった観点からも、上半身と下腿が平行でないスクワットをしても、筋肉は鍛えられますがその筋肉を動作に繋げることが出来ないのでオススメしません。
膝をつま先より前に出さないスクワットでは、お尻や裏ももに刺激が入りやすいですが、それであればデッドリフトという種目をやった方がリスクが少なく、かつ効果的です。
③太ももが地面と平行になるまでしゃがまなくてOK
<理由>
個人差はありますが深くしゃがめばしゃがむ程、骨盤の後傾が起こります。重量が乗った状態で骨盤の後傾が起こると腰を痛めるリスクが増します。
自分自身がどれくらいしゃがみこむと骨盤の後傾が起こるかを、鏡に向かって横向きで一度チェックしてみると良いと思います。
またパフォーマンスの観点では、最も力が発揮されるのは股関節と膝関節が60°曲がった状態であると研究で分かっています。
④股関節と膝関節が伸び切るところまで戻す
<理由>
負荷が逃げるから股関節や膝は伸ばしきらない、という指導はボディメイク寄りの指導です。歩行や走る動作をする上で、股関節や膝が伸び切らないというのは大問題です。
ジャンプをする時のことを考えてみてください。高く跳ぼうと思ったら股関節や膝は伸びていませんか?
ボディメイクを優先したいのであれば、関節を伸ばしきらないで負荷を逃がさないという指導は正しいと思いますが、パフォーマンスの観点では疑問が残ります。
以上の4点が日常動作に貢献し、かつ危険性が限りなく小さくなるスクワットです。
パフォーマンスをあげる上では、スクワットだけでなくランジやブルガリアンスクワットなど脚を前後に開く形のエクササイズも取り込むことでよりパフォーマンスは上がりやすくなりますので、組み合わせて行うことがオススメです。
また、目的別にスクワットのやり方はこちらを参照
まとめ
一言で「正しいスクワットのやり方」と言っても、スクワットは目的別にやり方が変わってきます。
「危険なスクワット」は確かに存在しますが、万人に正解となるスクワットはないということを理解していただくことが重要です。
私はパフォーマンスを上げることが1つの軸になると考えていますので、その点に納得できる方はご紹介したスクワットのやり方をしていただけると良いと思います。